Ramen について

ラーメンの歴史

言うまでもなく、ラーメンを含む麺類は中国から伝来したものである。それでは、どうして今日ラーメンは、日本人にとってこれほど馴染み深い料理となったのであろうか?

 

ラーメンが伝来するよりずっと前から、日本では小麦や蕎麦が栽培されており、うどんや蕎麦は主食の米を補完してきた。周囲を海岸で囲まれ、山がちで、かつ仏教思想により肉食をしなかった日本では、鰹節や昆布、あるいは椎茸などで出汁をとり、そこに醤油や味噌、みりんなどの元ダレ(かえし)で味を調えるのが日本のめんつゆである。当然、南から北、東から西へと味は大きく異なる。食材が異なり、また人々の好みも異なるからである。

 

明治の世になり人々は肉食を始める。ラーメンはちょうどこの頃に伝来したようである。それから160年間、調理人は弛まなくラーメンを改善してきたわけである。伝統的な出汁とタレというめんつゆの手法がラーメンを洗練させた。それに加えて鳥と肉という新しい素材がラーメンに加えられた。

KUMANOのラーメンの特徴

ラーメンには極めて多くのバリエーションがある。基本的にラーメンにはこれと言った規則は無い。料理人は常に新しい素材を求め、新しい組み合わせを模索している。

博多風とか札幌風といった選択は可能であるが、チェーン店を除き同じラーメンの味は無い。みなそれぞれ異なっているのである。

さてそこで問題である。我々はどの様なラーメンを提供するべきか?

博多風、札幌風?あるいは有名なチェーン店の味を真似るのか?

いやそうであってはならない。我々が作るラーメンは;

  • ニースの人々の好みに合わなければならない
  • ニースの気候に相応しいものでなければならない
  • 可能な限り南ヨーロッパで手に入る食材を使用しなければならない。

それでは何を日本から輸入するのか?醤油、味噌など基本の調味料と調理技術である。

これらに加えて私は新たに2つの選択肢を加えた。ベジタリアンラーメン:野菜のみからスープを取った。そして豚を使わないラーメン。豚チャーシューの代わりに鴨の胸肉と、牛ロースのチャーシューを加えた。これらはあまり日本ではなじみがないが、多くの方の要望を取り入れた結果である。

私としては地元の好みに合ったニースラーメンを提供するのは光栄であるし、また日本からのお客様が、新しいラーメンの味を発見して頂く機会になればと考えている。